いまを生きる(1989年) / 監督:ピーター・ウィアー
無人島に行くなら、何の映画を持っていきますか?
もしそんな問いにぶつかったのなら、迷いなくこの映画の名を出すだろう。
迷いある時には道標となり、未来が見通せないと感じた時には希望となる。
1989年アカデミー脚本賞受賞。保守的な名門全寮制男子校に型破りな教師ジョン・キーティング(ロビン・ウィリアムズ)が赴任してきた事をきっかけに、生徒たちが自主性に目覚め、奪われていた自由に気付き、次第に夢を持つようになります。 未来を約束され、敷かれたレールの上で生きる少年たちに「自分らしく生きる」ことの意味について「詩」を引用しながら全身で伝えていきます。
詩を通していくつもの教えを導くキーティングの授業からは30年以上経った現代にも通づる、人間のあり方や心の持ちようが語られています。
その中でもキーティングが教えたひとつの詩は今も、多くの人々の人生に影響を与えてきました。
せっかくですので今回は「行かなかった道」(The Road Not Taken)という1篇を紹介します。
誰しもにとって道なき道である人生の旅路を、恐れず歩むことを肯定する。
どんなリーダーを求めるかはその人次第だけれど、キーティングの血の通った教えから背中を押されませんか。リーダーとは、当事者にとっての教師であり、真の友であり、仲間であり、可能性という名の花を咲かすタネのような存在でありー。未来をつくる人なのだ。
最後に。 この映画を知らぬ人は、一見下品な行為だとしかめっ面を浮かべるかもしれない。 そんなアンビバレントながらも感動的なシーンがあります。
生徒たちは、教室の机の上に立ちあがる。
いつもと違った視野を持つために。それぞれの志を胸に掲げて。
普段とはものの見えかたが180度変わるのも、映画の魅力ですよね。
東紗友美 さん
映画をご紹介いただいた
PROFILE/
映画ソムリエ。
女性誌(CLASSY、sweet他)他、連載多数。
TV・ラジオ(文化放送)等での映画紹介や、不定期でTSUTAYAの棚展開も実施。
映画イベントに登壇する他、舞台挨拶のMCなどもつとめる。
映画ロケ地にまつわるトピックも得意分野で2021年GOTOトラベル主催の映画旅達人に選出される。
音声アプリVoicyで映画解説の配信中。